アイヌの大叙事詩を大河ドラマに

 聞くところによると、NHKテレビの新大河ドラマのテーマは来年の東京五輪に因んだものらしい。日本史の英雄ものは種切れかね。まだまだやるべきことがあるだろう。その一つが北方の先住民族アイヌのものがたり。タイミングとしてはアイヌ新法や民族共生象徴空間ウポポイが誕生しようとしている今こそ手掛けるべきだと思う。

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俳優の宇梶剛士さん





――北海道での映画作りの行く末は? 映像作家にどんな作品を期待しますか。
 西部劇がアメリカの大自然の中で人間像を描いたように、江戸期から明治にかけての北海道を舞台に、アイヌの人たちから見た、壮大な人間ドラマとしての歴史をきちっと描いてほしい。激動の時代に彼らが新たな潮流や文化とどう向き合ったか―。残念ながら満足できる作品は、まだ出ていない。


 以上は元HBC社長でテレビドラマ全盛期の名演出家でもあった長沼修さんに2014年9月、キタが「北の映像ミュージアム」機関誌上でインタビューした時のお言葉だ。

 まことにその通りだと思った。
 原作はいくらでもある。原田康子さんの「海霧」上下(北海道新聞社版、2002年)、池澤夏樹さんの「静かな大地」(朝日新聞社版、2003年)に描かれたアイヌ民族像、萱野茂さんらのアイヌ民族自身の自伝群。さらに、アイヌ自身や和人による研究の成果が山ほどある。

 その一方で、まだまだ、政治的、社会的、経済的差別は根強く、和人の理解も浅薄。北海道だけでなく、千島、樺太、沿海州をも舞台にした、海のノマドとしてのダイナミックな歴史の足跡にもまだまだ光が当たっていない。

 大河ドラマの主人公を演じるのは決まっている。俳優の宇梶剛士を措いてほかにいるわけがない。

 いろいろ難しい問題もあるかもしれない。しかし、そこをパスして民族の復権と日本列島に住まう者同士の真の共生はない。沖縄もまた然り。




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