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zoom RSS 「メディア・スクラム」と「メディア・フレンジー」

<<   作成日時 : 2017/03/14 02:26   >>

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 「メディア・スクラム」という言葉がある。近年、日本では新聞、テレビなどの報道や報道番組関係者が大人数で取材現場に押し掛け、取材対象者に執拗に付きまとい、加熱した報道合戦を繰り広げることを指す。しかし、イギリスやカナダなどでその語が生まれたのは別の意味だった。恥ずかしながら、私は前者の「悪い意味」しか知らなかった。

 メディア・スクラムの語源がラグビーのスクラムのように、記者が群がる様子から来ていることは想像に難くない。しかし、抽象的な意味では、「メディアがスクラムを組んで権力に対抗すること」だと3月11日の毎日新聞「メディア時評」で浮田哲・羽衣国際大教授(メディア論)が紹介している。

 同欄で浮田氏は次のように書いている。
 ・・・トランプ氏と既存メディアの対立は新政権発足後も続いている。毎日新聞(2月25日夕刊1面)によると、ホワイトハウスはスパイサー大統領報道官による定例記者会見を「懇談」に変更し、出席できるメディアを選別。政権とロシアの関係を報じたニューヨークタイムスやCNNテレビ、日本の報道機関も締め出したという。この記事で注目したいのは取材が認められたAP通信やタイム誌の対応で、彼らは抗議のために取材をボイコット。朝日新聞(26日朝刊1面)によればウォールストリート・ジャーナルも声明で「取材の時点で(締め出しを)知っていたら、参加していなかった」と述べた、という。すべての報道機関ではないが、協力してトランプ政権に対峙しようという姿勢を見ることができる。
 「メディアスクラム」という言葉がある。事件や事故の報道の現場に多数のメディアが集中することに使われるが、本来の意味ではメディアがスクラムを組んで権力に対抗するということで、今回の米の意©ディブの報道機関の対応がまさにそれに該当する。日本でも今後トランプ政権とおなじように報道機関を選別し、分断するような動きが出てくるかもしれない。その時スクラムを組んで、対抗できるか。日本の報道機関もまた正念場を迎えている。

 日本で定説になっている悪い意味の方の「メディア・スクラム」、つまり集団的過熱取材のことは、本来「メディア・フレンジー」と呼ぶ(ウィキペディア)。

 フレンジー(frenzy)はジーニアス英和辞典で「逆上、取り乱し、熱狂、狂乱、狂気」とある。ヒッチコック監督のサスペンスミステリーに同名の作品があったのを思い出す。

 松本サリン事件やロス疑惑での加熱報道への世論の強い批判を受けて、マスメディア業界が反省、2001年に日本新聞協会は「集団的過熱取材に関する日本新聞協会編集委員会の見解」を出した。

 この見解の冒頭、「事件や事故の際に見られる集中豪雨型の集団的過熱取材(メディア・スクラム)に、昨今、批判が高まっている。この問題にメディアが自ら取り組み自主的に解決していくことが、報道の自由を守り、国民の「知る権利」に応えることにつながると考える」と書き、「加熱報道イコール、メディアスクラム」と、爾後の語義を定着させてしまったように思える。

 誤った加熱報道には、メディア・フレンジー、もっとどぎつい表現なら「メディア・リンチ」とはっきりと区別して記述することで、「メディア・スクラム」というメディア史上に残る用語の名誉を守るべきだった。

 新聞協会の不明である

 今、日本における安倍政権下のメディアコントロールは異常な姿を見せているように思える。外国メディアから見れば「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」(マーティン・ファクラー氏の同名著作)と映っている。

 そうした状況の中で、メディア各社間のスクラムはともかく、現場レベルでは、独立と自律を担保した上でのジャーナリスト・スクラムは可能であるし、心がけてもらいたいものだ。

 北海道新聞が道警裏金報道に端を発して、北海道警から取材圧力あるいは他社との差別を受けていた時、また、従軍慰安婦報道をめぐる元朝日新聞記者に対する手ひどい捏造中傷が続いたときには、残念ながら、本来の「メディアスクラム」が機能したとは言えなかった。

 国境なき記者団による「世界報道自由度ランキング」で現政権下の日本はフリーフォールの状態。2016年は180か国中72位。いまこそ、メディアスクラムを思い出してほしい。



 

 
 
 

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Kita, WHO?

1948年大阪生まれ。元北海道新聞記者。11年3月から13年3月まで、JICAシニアボランティアとしてモンゴル国立農大(ХААИС)ダルハン校でエコツーリズムと基礎日本語を教えた。趣味は渓流釣り、映画、クラシック音楽鑑賞、漢字書道。書号は景泉 にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
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