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zoom RSS 1年で退学していく君へ。

<<   作成日時 : 2017/01/31 08:03   >>

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昨日、1月30日は有意義でした。大学の成績評価、所得税の確定申告など、2016年度の総仕上げをやり遂げた。さあ、2月からは新年度の準備を本格化させよう。

 成績評価は北海道文教大学の2つの講座、「マスメディア論」(3年生対象、受講生34人)、「現代日本の諸相」(1年生対象、20人)。どちらも15講中に4回のリポート提出で80%、平生点20%、平生点は出席状況、授業中の取り組み、積極性をチェックする。

 成果を点検していて、気になる学生がみつかった。15回の授業を序盤、中盤、終盤に分けると、中盤までフツーの出席状況だったのが、終盤5階になって急に欠席が続き、リポート提出も3、4回目が提出さtれていない。単位認定のぎりぎり線上にいる。きちんと出席していれば、A以上の成績を取る可能性は高かったはずだ。

 連絡を取って事情を聴こうとしたが、教務課から教えられた携帯電話は別人名義になっていた。親元とみられる道央圏都市に何度も電話してみたが、応答ないし。

 学科の教務委員の先生に調べてもらうと、中途退学を前提に、本人、大学、学校の三者ですでに話し合ったという。

 衝撃を受けた。出席状況、提出されたリポートの出来栄えを詳細にチェックしなおし、AA,、A、B、C(以上合格)、D(不合格)のうち辛うじてCに該当すると判断した。
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Connecting the dots. キタ意訳で「縁」16枚書いたうち10枚は学生たちのもとへ

 仮にA君としておこうか。

 退学していくA君にCランクを差し上げるだけでいいのだろうかと思った。そこで、彼女にとってたった1年間の短い大学生活で勉強した教科。担当教員としてこれからの彼女の人生に少しでも役立つメッセージを贈りたいと思った。以下が、その文面。

A君


「現代日本の諸相」の受講、終盤、欠席が続いていたので心配していました。1月25日の第15講が終わり、成績評価作業に入って、平生点(20%)とリポート(80%)を足したポイントが1.4でC評価(1.0以上2.0未満)に相当するものの、確認しておかなければならない点がありました。そのため、あなたと連絡を取ろうと試みましたが、上手くいきませんでした。その後、国際言語学科の教務委員の先生から、保護者さん、本人、大学側との協議ですでに退学の方向性が出ていると聞かされました。

 第15講では、アップルコンピュータ―の共同創始者のSteve Jobs(1955〜2011)のスピーチを取り上げました。2005年、米国スタンフォード大学の卒業式でおこなった有名なスピーチです。詳しい内容は別紙、15講で受講者に配ったコピーを読んでください。ここで紹介したいのは、スピーチの3つのエピソードの一番目「Connecting the dots」です。

 ジョブズは17歳で入学したポートランド市のリード大学に、半年で退学届を出しますが、その後1年半、登録教科ではなかった「カリグラフィー」(書体学)の授業に通います。アルファベットに装飾を施したり、いろんな書体を工夫する学問でした。

 自分は一体なんのためにカリグラフィーを、必須科目より熱心に学んでいるのかと自問したはずです。「当時は先々のために点と点をつなげる意識などありませんでした。しかし、いまふり返ると、将来役立つことを大学でしっかり学んでいたわけです」。これは、スピーチの中のジョブスの言葉です。

 そして、リード大学を去り、曲折ののち、10年後にアップル社のパーソナル・コンピューター「マッキントッシュ第1号」を設計するとき、リード大学で学んだカリグラフィーを思い出し、今日のPCの美しい書体フォントの基盤になるフォント(書体)セットを組み込むことに成功しました。スピーチの中で、「ウインドウズはアップルのパクリだから、もし私が、リード大学でモグリの学生としてカリグラフィーを学ばなかったら、今日のパソコン時代は来なかったはずだ」とライバルのビル・ゲイツ(ウインドウズの創始者)を皮肉りながら胸を張りました。

 ジョブズのいうには、はっきりとした目的なく、熱心にカリグラフィーを学んだことを一つの点(ドット=dot)とすれば、10年後のアップル社創設はもう一つの点。二つの点が10年後に一気に結びつく瞬間。そんな瞬間はジョブズでなくとも、だれにもあるのです。

 理由を私は知りませんが、原因、理由があってAさんもジョブズと同じように学業を1年次で打ち切ることになりました。それでもあなたがこの1年間に受けた授業の中には必ず、将来の「点」と結び着く「点」があるはずです。それはなにか、あなたには今はわからないかもしれないが。

 ジョブズはまたスピーチの中で言っています。「(退学の決断は)多少は迷いましたが、今振り返ると、自分が人生で下したもっとも正しい判断だったと思います」と。

ITの世界で一つの大きな時代を創り上げたジョブズのように、 Aさんもまた、退学の決断が「正解であった」と後で振り返ることができるような人生を歩んでくれるとわたくしは信じています。

 Connecting the dots の瞬間がわたくしにもあったことを2013年に出版した本に記しています。その部分のコピーも同封しておきますConnecting the dots.は日本語に無理やり意訳すると、「縁(えん)」になるというのがキタの考えです。

 そんな意味を込めて、15講が終わった後、出席学生のうち希望者に、キタが書いた色紙を差し上げました。受け取ってくれたのは14人中9人でしたが。迷惑でしょうが、Aさんも、色紙を受け取ってください。今期の授業が終わると母国に帰って行く中国人留学生たち同様、あなたにも「Connecting the dots ,」をかみしめてほしいのです。将来のいつか、Aさんが1年間の北海道文教大学生活の中から「the dots to connect」(結ぶべき点)が見つかりますように。
 それではあなたの新たな出発に幸い多きことを祈って、お別れの言葉を記します。
 1年間、よく頑張りました。Cood Luck!

学籍番号16××× Aが「現代日本の諸相」C評価、合格点を取得したことをここに通知します。

   
2016年度後期「現代日本の諸相」担当 キタ





 

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Kita, WHO?

1948年大阪生まれ。元北海道新聞記者。11年3月から13年3月まで、JICAシニアボランティアとしてモンゴル国立農大(ХААИС)ダルハン校でエコツーリズムと基礎日本語を教えた。趣味は渓流釣り、映画、クラシック音楽鑑賞、漢字書道。書号は景泉 にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
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