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zoom RSS 「子どもと貧困 シングルマザー」(朝日新聞)と「なぜペンをとるのか」(毎日放送)に大賞

<<   作成日時 : 2016/02/21 15:26   >>

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 昨日夕刻から札幌市内で開かれたメディアアンビシャスの「2015年大賞表彰式」を見に行った。1年間、日本のジャーナリズム界から発表された活字と映像部門の報道から特に優れたものを市民団体メディアアンビシャス(山口二郎・代表世話人、本部札幌)が毎年表彰する。選ばれたジャーナリストたちの業績はリアルタイムでは一部しか読んだり見たりしていないが、いずれも素晴らしいものだった。

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活字部門の大賞受賞記事、連載企画「子供と貧困 シングルマザー」の朝日新聞大阪本社を代表して表彰を受ける斎藤利江子・生活文化部次長(右)
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表彰式のあとの討論。それぞれの制作意図や苦労話を語る


受賞作は以下の通り。
【活字部門】メディアアンビシャス賞=大賞 連載企画「「子供と貧困 シングルマザー」(朝日新聞大阪本社、12月20日から3回)△メディア賞 「日韓 奔流半世紀」(北海道新聞社、6月3日〜27日)△アンビシャス賞 「憲法解釈変更 法制局、経緯公文書残さず」(毎日新聞、9月2日)△入選 「道標を求めて−琉米条約160年」(琉球新報、14年5月〜15年2月)
【映像部門】メディアアンビシャス賞 マンデードキュメント「なぜペンをとるのか〜沖縄の新聞記者たち」(毎日放送)△メディア賞 報道特集「戦争を忘れた東京の70年・ドイツと中国で考える」(TBS製作、8月15日)△アンビシャス賞 「南京事件 兵士の遺言」(日本テレビ制作、10月4日)△入選 ETV特集「薬禍の歳月〜サリドマイド事件・50年」(NHK,、2月21日)、報道ステーション「沖縄の日」(テレビ朝日制作、6月23日)


 まず活字、大賞の「子供の貧困 シングルマザー」。朝日は購読していないが、授賞式に出席した斎藤利江子・大阪朝日、生活文化部次長の「受賞のことば」「子供の貧困を語るとき、まず正面から向き合わなければならないテーマのひとつが、母子世帯の問題だと思った。厳しいぎりぎりの生活のなか、寝食惜しんで働いているシングルマザーの方々に取材に応じていただくのは容易でなかった」と述懐している。そうだと思う。キタ32歳の時、1980年ごろ北海道新聞家庭面で「消えたエプロン ルポ父子家庭」を同僚記者2人と一緒に連載したころのことを思い出した。

 大月書店から単行本として出版。5、6冊残っているから1冊、斎藤さんに進呈しようか。

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▲キタらが学芸部の3人で執筆した「消えたエプロン ルポ父子家庭」(1981年、大月書店、絶版)。どさくさまぎれにUPしました
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▲「消えたエプロン」のカバー裏にある3人の著者の写真。キタ当時32歳。執筆の中心となった小笠原信之君はフリーライターになり先年、鬼籍に入ったと聞く



 映像部門の大賞、「なぜペンをとるのか〜沖縄の新聞記者たち」。これはリアルタイムのオンエア(TBS-HBC)では見ていないが、Facebookに海賊コピー動画でリンクされていたのをキタは見た。米軍普天間基地の辺野古移転をめぐる、琉球新報の記者たちがどんな思いで取材し、紙面化しているかを密着取材したドキュメンタリー。キタはちょうど私立大学で「マスメディア論」を教えていたので、コピーをコピーし授業で45分全てを学生たちに見せた。どこの新聞社も(キタのいた道新も)編集局の大部屋はだいたいこのようなので、説明するのに好都合だった。

 映像部門のアンビシャス賞、「南京事件 兵士の遺言」も実はFacebookで見た。「受賞のことば」のなかで、ディレクターの澤田一敬・日テレディレクターは書いている。

 「近年、南京事件は無かった、中国側のでっちあげだ、とする主張が跋扈し若者たちの間ではそうした考え方が常識的になりつつあります。本放送はこうした主張になんの根拠もないということを証明するに至る調査報道でもあった、と評価を得ている」と書いている。

 このドキュメンタリーは南京攻略に従軍した多くの元日本兵からの聞きとり調査や陣中日記を収集した人の調査文書をそのまま映像にするのでなく、取材班が元兵士たちの書き綴った「一次資料」を丹念に検証したところに大きな価値がある。

 ややもすると、一次資料を過信し、その検証に手を抜く「悪魔のささやき」に負けそうになったのはキタも身に覚えがある。

 表彰式のあとの討論「メディアの今」で各受賞作の代表者がパネリストのディスカッションがあった。

 映像に関して、歴史や今日問題に核心的なテーマを扱ったものほど放映時間帯が悪く、したがって視聴率もひとケタの下の方と悪いことを制作当事者たちは苦笑いしながら語った。局からは視聴率は最初から期待されていないちとも。

 キタはフロアから質問。「わたしは『記者たちー』も『南京事件』もFacebookのコピー動画で見た。こうした不法だがが、私たちには役立つコピー、海賊版について、どう考えますか」。

 「戦争を忘れた−」の瀬戸雄二TBSディレクターや澤田さんらの答えは「不法なコピーは著作権がらみで、推奨できないが、少しでも多くの人に見てもらうのは有難い。最近ではニ次使用を含めた制作契約をするようになり、合法的なオンデマンドなどで事後に見ていただけるようにしている」との説明があった。

 「なぜペンをー」をキタは見た時、取材される琉球新報の記者、編集人たちと、取材する側の間にシンパシー、信頼感を強く感じた。それはキタが30数年間の記者生活のなかで、国内外で多くの他社の記者たちとの関わりでも強く感じたことだった。

 それを称して「暗黙のジャーナリスト・ギルド」とキタは呼んでいる。ソウルやシンガポール駐在記者をしているとき、出張先で社間では何の提携関係のないメディアを訪ねて、現地の事情について尋ねると、懇切丁寧にアドバイスしてくれる。これは国情にいかに「違いがあろうと、ジャーナリストに共通した態度だったように思う。

 それを考えると、昨今の日本のメディアでは、記者は社の路線に沿ったことしか書かず、また、所属社を超えた自律的なジャーナリスト・ギルドが弱まっているのではないか。そんなフシを感じる時がある。

 討論が終わり、会場近くの居酒屋で受賞者との懇親会があり、これにも出席し、大いに語り合った。

 国会で圧倒的多数を持つ安倍政権の下、報道の自由が、かつてないほど脅かされ、自主規制に走る傾向がみられる今日、今回受賞したジャーナリストたちのNEXT ONEを期待したい。

 最後に、市民の目線で、良心的なメディアの業績に光を当て讃える、このメディアアンビシャスの活動に深く敬意を表したい。というわけで、キタも昨日をもって、この団体の会員になることにした。

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Kita, WHO?

1948年大阪生まれ。元北海道新聞記者。11年3月から13年3月まで、JICAシニアボランティアとしてモンゴル国立農大(ХААИС)ダルハン校でエコツーリズムと基礎日本語を教えた。趣味は渓流釣り、映画、クラシック音楽鑑賞、漢字書道。書号は景泉 にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
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