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zoom RSS 「戦争と新聞」*北海道新聞労働組合著、径(こみち)書房刊

<<   作成日時 : 2016/01/06 05:56   >>

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 昨日、大通18丁目かいわいに行ったついでに古書店並樹書店に立ち寄った。目当ての本はすでになかったが、「戦争と新聞」の背表紙が目に留まり1000円で購入。キタもクローズドショップの道新労組の一員だから、1984年の発行当時、買った。しばらく、書棚にあったはずだが、どこかに行ってしまった。あらためて、この時期読んでみよう。

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並樹書店の本は昔ながらの硫酸紙でカバーをかけてある

 「戦争と新聞」というタイトルから、先の大戦に新聞がどう関わった、というのがテーマと思いそうだが、さにあらず。
1980年代当時、北海道新聞を含む日本の主要な日刊紙に政府予算で、秋の自衛隊創立記念日にPR広告を掲載していた。道新労組はこれに反対する闘争を続けていた。そのドキュメントを、径書房の薦めで1冊の本にした。

 同書を要約して引用する。

 1983年9月、渡辺喜久雄社長(故人)と、道新労組との団交。

 オブザーバーの高田正基青年部長(現UHB北海道文化放送取締役)が質問。「自衛隊PR広告の掲載問題について過去7年間、会社と組合の考え方が対立している。自衛隊が合憲か違憲か、社論も含めて改めて伺いたい。また昨年の団交で社の幹部が『掲載を断ると政府から色つきで見られる』と答えているが、これは権力に媚びた発言ではないか」

 渡辺社長「自衛隊広告について賛否両論があるのは、民主主義国家のいいところだ。防衛二法が国会で成立している以上、自衛隊は合法的に存在していると認めざるを得ないのではないか。広告基準にのっとっているし、戦意を高揚させる広告でない限り、『乗せてはいけない』という意見はいきすぎだ。この問題については会社の方が正しいのであって、組合の主張は認められない。『色つき』云々の発言は、言い方のアヤではないのか」

 上沢孝二委員長(のちUHB社長)「ここで論争するつもりはなかったが、『会社の見解が正しい』と言われれば反論しないわけにはいかない。自衛隊が防衛二法に基づいて存在するのはそのとおりだろう。しかし、民主主義をいうのなら、合法的に成立した法律に対する批判もまた自由なはずだ。”合法”にもさまざまな経緯がある。出来上がった法律が憲法の精神に合致しているか、またその成立過程や機能がどうか、新聞社が主体的な判断で見極めるーーーこれこそ民主国家のなかで大切なことだ。新聞の意見広告についていえば、2つの相反する意見がそれぞれ平等に扱われなければならないが、現実にはそうなっていない。私たちの主張には誤りはないことを再度申し入れておく」
 上沢に対する社長の反論はなかった。

 あれから30年余、自衛隊の存在そのものを違憲とする主張はすっかり力を失ったが、こうした社内論議は労使ベースでも活発に交わす土壌はいまも継続されていると信じている。

 当時、キタはどんな立場にいたか。
 この上沢執行部から数えて、2年前の1981年、組合の編集支部選出の中央執行委員を1年間勤めた。当然自衛隊pr広告反対闘争も担ったが、目だった活動はない。粛々とおざなりにやっていた、といわざるを得ない。

 編集に携わった、長瀬千年さん(当時、社会部員、労組副委員長)、鈴木政俊君(印刷部)、森田英和君(学芸部)らの名もなつかしい。みんながんばっていたなあ。

 並樹書店で得たこの本に「径通信」(1984年5月発行)という出版社発行のリーフレットがはさんであった。編集後記「径のしおり」に原田奈翁雄社長だろうと思われる文章。

 「A社もつぶれた、B、C社もダメ、D社・・・F社の社長は行方をくらました・・・・。このわずか年余間のことである。(中略)出版の状況はいま、かくも厳しい。本がうれないからである。書店の店頭で一般書籍の棚が日一日と縮小され、代わって大衆誌、漫画がその場を占めていく」。

 しかしこうも書く。
 「径よ、汝の歩みを着実に歩め。人々のまなざしが、思いが、姿が、足もとを支え、前途を開く」。

 原田さんとは一回だけ、長瀬さんを交え、ススキノで飲んだことがある。腰の低い柔和な人だったが、芯の強さはすぐにわかった。インターネットで「径書房」を検索したら、あった、あった。健在でよかった。



 


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Kita, WHO?

1948年大阪生まれ。元北海道新聞記者。11年3月から13年3月まで、JICAシニアボランティアとしてモンゴル国立農大(ХААИС)ダルハン校でエコツーリズムと基礎日本語を教えた。趣味は渓流釣り、映画、クラシック音楽鑑賞、漢字書道。書号は景泉 にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
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