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zoom RSS 子供たちを見殺しにしていないか。

<<   作成日時 : 2014/04/20 07:39   >>

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 11泊12日の韓国旅行を続けており、9つ目の夜が明けようとしています。いろんなものを見、いろんな人と会いましたが、旅の一番の思い出が、半島南西部珍島沖で起きた悲惨な旅客船「セウォル号」沈没事故になることが確実です。4月16日午前11時20分。浸水から140分、船影が完全に海中に没したとき、キタもまた珍島から黄海に浮かぶ島々を眺めていたのですから。

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15日午後6時49分、珍島西岸細方村夕日の展望台でキタが撮影した珍島沖。すでに霧が濃く日没前に到着したが夕日は見られなかった。翌日早朝、この沖合いを高校生325人を含む462人を乗せた「セウォル号」が通過したはず。セウォルは漢字で書くと歳月だろう。多くの高校生たちが、長い歳月を生き切ることなく、16、7の若い命を散らしたことは、しのびないというにはあまりがある


 私が事故に気づいたのは「海が割れるの」で有名な珍島会洞(フェドン)海岸に行った帰りのバスターミナルでみたテレビ。時間は12時ちょうどくらいか。海に横倒しになったはいるが、船体の大半を水面の上に見せている。

 テレビを見ている人も、さほど表情を変えずに静かに見入っている。韓国のどこかで小型船が事故を起したのか、程度の雰囲気だった。1時20分発光州行きバス(珍島と韓国本土との間に橋が架けられており、陸路渡れる)までに昼食と円からウォンへの両替をするため、そのままターミナルを出ました。

 途中、大きな病院の前を通るとき、玄関口に救急車が横付けされ、ヘルメットをつけた救急隊員と警察官が険しい顔でなにやら話し込んでいた。「なにか大きな事故があったのかな」と、職業柄、感じるものがあったが、それがちょっと前、ターミナルのテレビでみた速報ニュースとはまだ私の頭の中で結びついていなかった。実は船体から離脱した最初の遺体がこの病院に収容されたらしい。

 両替できる銀行を探すのに手間取り、食事を断念。ターミナルに取って返すと、テレビは実況中継を続けている。

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16日午後0時55分。珍島バスターミナルでのテレビから撮影した仁川発済州島行き旅客船沈没事故ニュースの映像。行方不明者数の表示はまだない
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その後の事故報道には必ず画面の右上に乗船者数、死亡者数、救助者数、行方不明者数の順で表示されるようになった
セウォル号の航路と沈没水域(×印)=朝鮮日報17日付2面掲載地図にキタが日本語を挿入

 アナウンサーの言葉に「チンド」という単語が入っているのに初めて気づき、注意して聞いていると、修学旅行の高校生ららを乗せた6800dの大型客船が事故を起したことがようやく分かった。何人が救助されたのかはよく聞き取れない。その時刻はもう船は船首を海面から突き出してほぼ完全に沈没しているのに、横倒しになった船体ばかりを放映していた印象。どれがライブでどれが録画なのかわからない。

 午後0時55分の写真はキタが最初にテレビから撮ったもの。後刻、今も延々と続くテレビ報道の画面に置かれている「乗船者数、死亡者、救助者数、行方不明者数」はそのころの画面にはまだなかったこtが分かる。

 いまから思うと、170数人の救助者を除いて、約300人の犠牲者が出た可能性が濃厚な最悪の惨事を、沈没後1時間余の段階で無慈悲にストレートに映し出すのをためらったのかもしれない。

 午後11時には政府側からいったん」学生338人全員救出」と発表、あとで誤報と訂正されたというから、12時台の中継ではまだ報道現場に混乱があったのかもしれない。


 もっとひどいのは、浸水から140分間に取った運航責任者側の取った救難作業がまったく機能していなかったこと。
  @乗客にはライフジャケットを付けさせたが、そのまま船内に待機するように指示
  A船長以下と機関室要員10人は早い段階で救助を受け生存
  B船長は一般旅客を装い、救助をうけた疑い。救助活動をまったくしていない。
  C船内に装備すべき救難ボートは乗船者の数にはまったく足りなかった

 以上はその後に日韓の報道を引用したもので、まだ推測の域をでないが、それでも、140分の空白が300人とその家族に過酷な運命を背負わせる決定的な要因になったことは確かだろう。

 ジャンボ旅客機に匹敵する人命を預かっているという、覚悟と日ごろからの準備が船長ら乗組員を含む運航会社側にあったなら、この140分のなかでもっと多くの人たちを救えただろうに。学校当局側にも油断はなかったか。


 午後1時20分発の光州行き高速バスで珍島を離れたキタはそのバス車中でも、光州からその日の目的地清州へのバス車中でも、清州での宿泊先(1泊300Wのモテル)でも暇さえあれば、テレビの客船沈没事故報道に見入った。

 かつて取材した南西沖地震の死者数をしのぐ大型惨事であり、その大半がこれから前途有為な高校生集団であることがキタに言いようのない衝撃をいまも与え続けています。旅先で見聞きした事故ではありますが。



 翻って、こんなことを考えてしまいました。

 いま、私たちが乗船する地球号が航行する海は確実に自然環境、経済環境、国際政治環境が悪化している。もう浸水が始まっている。それなのに地球号、あるいはニッポン号の運航責任者である私たち大人の怠慢と根拠のない楽観主義によって、確実に沈没に向かっているのに、対策を打てないでいる、というイメージです。

 私たちのような人生をほぼ満喫した世代はまあ、あきらめもつく。しかし、これからもっともっとすばらしい人生を享受できるであろう若い世代、その次の世代はそうはいかない。

 なんとか浸水を押しとどめ、沈没をまぬかれなければならない。

 今回の事故の船長を、運航会社を責めるのはよいが、70億(もっとかな)が乗り組む地球号、1億2千万人が乗り組むニッポン号サバイバルの決定打を実行しなければいけない。

  地球号、ニッポン号の沈没まで140分あるか、ないか。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
たった今、北海道新聞の方が役所に来られました。喜多さんから私の事を聞かれて来たそうです。まさかこんなことで北海道新聞社の方とお会いするとは・・・驚きです。
あの美しい夕日の海でこんな大惨事が起こるとは・・・
珍島さん!
2014/04/21 18:20
珍島さん!驚かせてすみません。北海道新聞ソウル支局長に困ったことがあったら、あなたに相談するよう言いました。新聞記者は人間関係のネットワークを広げることに貪欲です。わたしも元記者ですので。すぐにひょっとすると連絡があるかもしれないので、よろしくお願いします、という電話をあなたにかけたのですが、あいにくお留守だったようです。彼は赴任間もないので、よろしくお付き合いをしてあげてくださいますように。順序が逆になりましたが、珍島では大変お世話になりました。帰国しましたら、お写真を送ります。
キタ
2014/04/22 08:59

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Kita, WHO?

1948年大阪生まれ。元北海道新聞記者。11年3月から13年3月まで、JICAシニアボランティアとしてモンゴル国立農大(ХААИС)ダルハン校でエコツーリズムと基礎日本語を教えた。趣味は渓流釣り、映画、クラシック音楽鑑賞、漢字書道。書号は景泉 にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
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