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zoom RSS 道新赤レンガ社屋

<<   作成日時 : 2014/02/22 13:16   >>

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道新の大先輩であり、キタが社会部ボンクラ記者時代の名デスクだった児玉芳明さんがfacebookで「残したかった旧道新赤レンガ社屋」と書いていらっしゃいます。手元の「社報三十年」(1972年刊、非売品)のグラビアに伊藤正画伯(札幌大谷短大教授、一水会委員=当時)の絵がありました。いまあれば、札幌の名所のひとつでしょう。残したかった、というより北海道の財産として残すべきではなかったか。取り壊すときどんな論議があったのだろうか、と調べてみた。

 
画像
伊藤正画 道新赤レンガ社屋。昭和37年、新社屋が完成したとき、ホクレンから寄贈され。しばらく新社屋正面玄関に掲げられていた。いまはどこにあるんだろう。社長室かな?(「社報三十年」から複写)



 手元にある北海道新聞三十年史」(1974年9月発行=非売品)を見てみると−。
 
 札幌市大通公園に面した赤レンガ3階建ての本社本館は、北海道における初めての鉄筋建築として大正11年(1922年)に完成したもので、大通の風致を引き立てる美観は長く道民に親しまれてきた。しかし、40年の風雪に老巧(老朽のミス入力と思われる=ブログ筆者注)がすすみ、機能もともなわなくなったことから昭和37年12月、これを解体して新築に着工した。(437ページ)

 赤レンガ社屋についてはたったこれだけの記述しかない。「北海道における初めての鉄筋建築」であり、「大通の風致を引き立てる美観は長く道民に親しまれてきた」、つまりは北海道新聞の社有財産であると同時に、北海道民の貴重なかけがえのない財産だから、なんとか保存する方法はないか、と議論した形跡は、社史に関する限りない。

 それでは、と「社報三十年」のほうをみると−。

 昭和35年(1960年)5月19日発行号1面トップに「社屋建設委員会が4月に発足した」という記事があり、その中に「いわゆる赤レンガ部分の2、3階建てを取り壊し…」とすでに取り壊しが既定事実になっている。その後「赤レンガをしのぶ座談会」(昭和37年3月号)や赤レンガ設計管理者の追想「赤レンガよさようなら」(37年1月号)などのノスタルジックな記事が出ている。しかし、やはり保存の「ほ」の字もない。

 34年入社の児玉先輩はFacebookで次のように書かれています。
 「新社屋建設直近に発行された二十年史では赤レンガ保存はまったく触れられていません。所得倍増、東京五輪へとつながる経済成長優先の中で新聞業界も飲み込まれていったのでしょう。「待てよ」と問い直す見識と勇気が必要なのは赤レンガ社屋保存の問題だけではありませんね」

 まったくけい眼です。

 それにしても、北海道の歴史的建造物の末路はあわれです。

 とりわけ札幌。北海道新聞社の西側にあった旧北海道拓殖銀行の巨大ビルもあれはあれで風格のある建物でしたが、たくぎん落城によって、跡形もなく消え去りました。新しいビルに風格はわたしには感じられません。

 いま注目すべきはもともと道立図書館で、三岸好太郎美術館をへて、最近では道立文書館分館になっている建物(中央区北1条西6)。キタが10年ほどまえ、館内に入れてもらったとき、未整理古文書の物置状態でした。これからどうなるのでしょう。

 歴史的建造物を移築して、展示する事業としては昭和57年(1982年)、道立自然公園野幌森林公園にオープンした「北海道開拓の村」(財団法人が運営)がありますが、テーマパークではない、歴史を刻みながらいまも息づく街並みとしての動態保存の面から取り組むことをまず第一に考えたい。

  余談ながら、私の関わる北の映像ミュージアムに黒澤明監督の直筆手紙が展示されています。札幌ロケをした「白痴」(1951年公開)という長編映画について書かれたものです。書簡は朝日新聞の書面インタビューに応え1978年に書かれたもの。映画はドストエフスキーの原作の舞台、サンクト・ペテルブルグを札幌に置き換えて製作した。


 黒澤は書簡の中で、本家サンクトペテルブルクの街並はいまでも昔のままだが、ロケ当時の札幌の面影は失われてしまっている、と書いていました。その書簡が書かれた1978年からさらに36年たった現在、「もう札幌は別の人工都市に変わり果ててしまったなあ」、と地下のクロサワは苦笑していることでしょう。

 黒澤の手紙を映像ミュージアムに来て一度読んでください。巨匠の眼は鋭すぎる。

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Kita, WHO?

1948年大阪生まれ。元北海道新聞記者。11年3月から13年3月まで、JICAシニアボランティアとしてモンゴル国立農大(ХААИС)ダルハン校でエコツーリズムと基礎日本語を教えた。趣味は渓流釣り、映画、クラシック音楽鑑賞、漢字書道。書号は景泉 にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
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