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zoom RSS ジョー・オダネルにジャーナリストの原点を見る

<<   作成日時 : 2008/08/08 05:34   >>

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 昨夜、NHKスペシャル「封印を解かれた写真が語るNAGASAKI」を見ました。長崎被爆直後に米海兵隊の軍人カメラマンとして現地入りしたジョー・オダネルは指示を受けた資料用写真とは別に被爆地の「人間」にレンズを向け、ひそかにネガを持ち帰りました。43年後に封印を解いて公表。「原爆投下は人類への罪」と語り始める。「戦争を早期に終結させるための正当な行為だった」とする圧倒的世論が支配する故国アメリカでバッシングを受けながら。

スペシャルではジョーの死後、その信念と写真を通した反核運動が息子に引き継がれるまでを追います。番組の途中、googleで検索したら、この人とその足跡はすでに多くの人たちに知られていることが分かりました。日本各地で写真展が巡回開催され、その人を取り上げたブログもいっぱい。NHKを見るまで知らなかったことが恥ずかしいくらいです。原爆投下の罪を無言で語るオダネルによる1枚の写真に衝撃を受けました。

  その写真というのは、赤ん坊をおぶいひもで背負った小学生と見える少年。火葬場で背中の弟の亡骸を荼毘に付す順番を待ち、直立不動で唇を、血がにじむほどかみしめてまなじり決して前方を見つめています。

  オダネルはこの1枚を含め、被爆直後のにんげんをひそかに撮りつづけました。帰国後はその地獄絵の悪夢に苦しみ、ネガとプリントをトランクに封じ込めましたが、「原爆のおかげで、戦争が終結し、多くのアメリカの若者が戦場で倒れるのを未然に防いだ」とする米為政者とそれを無条件に容認する世論に異議を申し立てずにはおられず、自らトランクの封印を解き、「戦争を終結させるためと言って、反人道的兵器で母を、子供を殺すことは絶対に許されない」と立ち上がります。

 誹謗中傷、いやがらせが殺到する中で、妻も夫の行為が理解できず、去りますが、息子のTyge(タイグと発音するのでしょうか)だけが父の行為を理解し、昨年父が病死したあとも日米を舞台に写真による反核運動を続けています。

  広島、長崎の原爆投下直後、米軍は多くの軍人カメラマンを投入、「原爆の成果」を記録させますが、被爆者の撮影も被爆者への接近も禁じました。しかしオダネルは軍律を犯して被爆者の目線、アングルでシャッターを押し続けました。多くの従軍カメラマンは感情を押し殺したロボット・アイに徹したけれど、オダネルだけがヒューマン・アイで被写体に接しました。これこそ、あらゆるタブーに挑戦してまでもにんげんとしての「表現」を選択するジャーナリストの目です。ジャーナリズムの原点ともいえます。

 「パールハーバーのリベンジのために軍に志願した」と述懐するオダネル。最初は軍律を冒して撮った理由がなにか、オダネル自身理解していなかったのではないか。43年間封印するうちに、酒が熟成するように、オダネルの中で疑問が、確信に化学変化していったのでしょう。
 
 「原爆投下は絶対誤りである。戦争を終結させるためなら、通常兵器でよかった」という確信。

 戦後、ホワイトハウス付きカメラマンに起用されたオダネルはトルーマン大統領に聞きます。「原爆投下が間違いではなかったか、という疑問を一瞬でも持ったことはありませんか」と。トルーマンは顔を真っ赤にしながら「全く疑問を持たない訳がないじゃないか。でも投下は前任大統領から引き継いだ路線だ」と言ったとオダネルが生前語っています。

 オダネルらがグラウンド・ゼロ(爆心地)まで接近するとき、兵器が原爆だったことも、被ばくの危険性も全く軍当局から知らされておらず、後年、オダネルは被爆の影響とみられる皮膚ガンにさいなまれました。

 息子TYGEは言います。「いくらアメリカが原爆の正当性を声高に主張しても、毎年まいとし、8月6日と9日は訪れます」と。アメリカが原爆投下の罪に認めることが地球の非核化への本当の意味での第一歩になることを示唆した言葉です。

  亡き弟を背負う少年の写真があるサイトを以下に添付しました。 「津久井進の弁護士ノート」 
  http://tukui.blog55.fc2.com/blog-entry-456.html

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Kita, WHO?

1948年大阪生まれ。元北海道新聞記者。11年3月から13年3月まで、JICAシニアボランティアとしてモンゴル国立農大(ХААИС)ダルハン校でエコツーリズムと基礎日本語を教えた。趣味は渓流釣り、映画、クラシック音楽鑑賞、漢字書道。書号は景泉 にほんブログ村 海外生活ブログ モンゴル情報へ
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